スペインめもら

スペインを旅したいすべての人に

【スペイン旅行のしおり】住所と街の歩き方

このカテゴリでは、旅行、生活、留学などでスペインに初めて行く人を対象に、まず知っておいた方がいい話を書いていきます。
そして今回のサブタイトルですが…

三丁目の夕日なんてスペインにはないんです〜

↑ランキングにも参加しているので、良かったらクリックしてみてください。

住所の基本は「通りの名前」

どこの国でも建物に住所があって、街の地図を見ながら目的地を目指していくことができます(いや、今はGoogle Mapでルート検索すれば一発、というのはひとまず置いておいて…)。

そこで、スペインでの住所の仕組みというか地図の見方をお話していきます。

まずは、スペインの通りにはすべて名前が付いています。その代わりに「○丁目」のような区分けがありません。住所はすべて、その街の「通りの名前 + 番号」で決まります。「通り」はスペイン語でCalle(カジェ:最も一般的な「通り」)、またはAvenida(アベニーダ:複数車線あるような大通り)と言うので、Calle ○○、Avenida ○○といった形で呼びます。たとえば、Calle Betis(カジェ・ベティス)や、Avenida de la Constitución(アベニーダ・デ・ラ・コンスティトゥシオン)など。
通りと同様によくあるのが、Plaza(プラサ)という広場。他にも高速道路や大きな自動車道のCarretera(カレテーラ)、人がギリギリすれ違えるぐらいの狭い路地、Callejón(カジェホン)などもあります。さらにさらに、坂の多い街でたまに見かけるCuesta(クエスタ:坂)やBajada(バハーダ:下り坂(ただの坂じゃダメなのか…))、Camino(カミーノ:道)などなど、いろんなバリエーションがあります。
そして、地図で見る際は、これらの略称が使われることも割りとよくあるので、以下も合わせて覚えておくといいかもしれません(いっぱいあるなぁという人は、ひとまずCalle、Avenida、Plazaの3つだけでも困ることはありません)。
  • Calle: C. や Cl.
  • Avenida: Av. や Avda.
  • Plaza: Pl. や Plza. Pza.
  • Carretera: Ca. や Ctra.
  • Callejón: Cjón
  • Cuesta: Cta.
  • Bajada: Bja. や Bjda.
  • Camino: Cam.

通りの名前がぎっしりのトレドの市街図(2017年)
では、これらの通りの名前はどこかに看板でもあるのかというと、写真にあるようにだいたい曲がり角の建物の上の方にプレートがついています。名前はスペインの都市の名前だったり、聖人の名前だったり、歴史上の偉人だったり。

マドリードの中心部に近い有名な通りカジェ・デ・アトーチャ(2024年)

番地は建物の入り口に表示

住所は「通り(または広場など)の名前 + 番号」なので、その番号はどこにあるのかというと、各建物の扉の上についています。この番号のプレートも陶器のタイルだったりして、これはこれでオシャレ。

住宅の扉の上に44という番号があります(2017年)

集合住宅などで複数の番号がある場合には、24 - 26のように書いてあったりすることもあります。

そして、この番号は通りの左側と右側でそれぞれ奇数・偶数のように振られているので、番号をたどっていくときには1, 2, 3, 4, 5,...は左、右、左、右、左…となっていきます。これに気が付かないと、「あれ、7を探しているのに、6と8で飛んでて7の建物がない…」となってしまいます。もちろん、この場合は通りの反対側を見れば7が見つかることになります。さらに細かい話ですが、通りによっては片側の建物の幅が広いというような場合に、番号のズレが生じることもあるので注意です。

通りの下側の建物の方が幅が広いため番号が通りの左右でズレている例

スペイン旅行中に住所を使う場面

昔は、観光案内所(información turística:インフォルマシオン・トゥリスティカ)で市街図(plano:プラーノ)をもらって、そこに記された通りの名前をもとに街歩きをしていましたが、今はもはやGoogle Mapを使えばいいのでそんなことをする必要もありません。

となると、使い道として一番よくあるのはタクシーで行き先を告げる時でしょうか。タクシーの運転手は、その街の数百を超えるであろう通り名をほとんど暗記しています(もちろん、Madridなどあまりに広い街の場合はカーナビに頼る運転手もいますが)。「こんな細い道の名前言っても知らないだろうな」と思って告げても、いつもちゃんと連れて行ってくれるので感心します。

私はいつも空港や駅でタクシーに乗る前に、目的地のホテルなどの住所を調べ、まず乗ったらその通りの名前を伝えます。あとは向かいながら細かい場所をGoogle Mapなどで調べて誘導していく、というようにしています。

もうひとつ面白い使い方として、Google Mapなどない時代に戻ったつもりで、市街図を片手に、通りの入り口の建物に付いている通りの名前を見ながら「アナログ」な形で街散策してみるなんていうのはどうでしょうか。スペインの旧市街地などは特に道が入り組んでいるので、すぐに迷ってしまいますが、それもそれで楽しみながら散策できるかと思います。スマホばかりに目線が行くよりも、この方法なら街をじっくり眺めながら散策ができて、旅行なら私はこういう歩き方もありなのかなと思います。

最後に

そんなわけで、スペインではこの「通りの名前」や「広場の名前」を使って住所が示されますし、会話の中で待ち合わせ場所や目的地を示すのにも使われたりします。今やスマホ片手に現在地と目的地のルートはすぐに検索できるものの、通りの角にある建物に通りの名前が書いてあることも、知っておくと便利だと思います。
最後にサブタイトルの伏線回収ですが、スペインでもし日本映画『Always 〜三丁目の夕陽〜』が翻訳されるとしたら、どうなるのでしょうか?個人的に気になります。