スペインめもら

スペインを旅したいすべての人に

【国民性や文化の違い】日本とスペイン ~ 飲食店とお客の関係 ~

このカテゴリでは、私がスペイン滞在後に日本に帰ってきたときに感じた「違い」について書いていきたいと思います。あくまで「違い」であってどっちが良い悪いではないのですが、どちらの国にもある「もっとこうしたら住みやすいのに」というポイントを考えるヒントになればと思います。

↑ランキングにも参加しているので、良かったらクリックしてみてください。

最初に今回の結論

飲食店の店員は…

  • 日本
    • ○対応が丁寧でお客様ファースト
    • △子供にあまり構ってくれない
    • ×あまりにお客様ファースト過ぎて逆に気を遣う
  • スペイン
    • ○明るく話しかけてくれたり子供にも構ってくれる
    • △注文を繰り返さないのでたまに間違えることも
    • ×注文の取り方が雑で呼んでもなかなか来ないことも

※もちろん、あくまで全体的な話なのですべてがすべてそうというわけではありません

対応の丁寧さについて

日本

飲食店に入るとまず、すぐに店員が「いらっしゃいませ、何名様ですか?」と声をかけてきて、しかるべき席に案内してくれます。店員は常にお客に気を配っていて、呼ぶとすぐに来てくれたり、席に店員を呼ぶための何らかの方法(ベルだったりタブレット端末だったり)が用意されています。注文もきちんと復唱してくれますので、間違いがあればその場で修正ができますし、安心して会計することができます。

店内でもお客様が快適に過ごせるように常に丁寧に接してきて、話すときは一歩へりくだって話してきます。厨房で何かお皿でも割れると、ホールにいる店員も含めて全員で「失礼いたしましたー!」とお客様に対して謝ります。

そんな感じで、とても快適に過ごせるには過ごせるのですが、逆にあまりにお客を持ち上げすぎていて、いわゆるモンスター顧客的な高圧的かつ威圧的なお客の対応に苦しんでいる場面もたまに見かけます。しかも、こちらが別にそこまで高圧的に何かを頼んだわけでもないのに、必要以上に謝られたりすると、逆に気まずくなったりすることも。

私自身の先日の話ですが、とある飲食店で頼んだ飲み物が15分ほど経っても出てこないためにいったんキャンセルしました。しびれを切らしたとかそういうことではなく、単に「やっぱり要らないかな」と思ってキャンセルしただけです(閉店時間が迫っていたのもあり)。私にとってはそれだけのことだったのですが、会計をしてお店を出るまでに複数の店員から何度も「先ほどはすいませんでした」と深々と謝られてしまい、なんだかこちらが恐縮してしまうほどでした。別にそんなに怒っているわけでもないのに…。

スペイン

飲食店に入るときは、自分から "Hola!(おーらー)" と挨拶して声をかけ、特に店員から案内がなければ空いている席に適当に座ります。店員を呼ぶベルなどはないことがほとんどなので、周りの他のお客のもとに料理が届けられるタイミングを見計らって身振り手振りや大きな声で "Oiga!(おいがー)" と呼ぶか、テラスなどの場合は店内に見える位置まで行って店員の注意をこちらから引く必要があることもあります。注文は繰り返さないことが多いので、頼んだものがきちんとオーダーされているか注意し、会計時にはチラッとレシートを確認してみた方がいいです。

レストランなどでは一応きちんとUsted(「あなた」の敬称)で話してきますが、地方のバルなどだとtutear(Tuで話す、つまりタメ口)で話してきます。店内はそもそもお客も含めてかなり騒々しいので、厨房で皿が割れようが鍋が落ちようが、通常運転という感じで店員は何も言いません。

そんなスペインの店員なので、日本の接客に慣れていると、たまに「おいおい」とツッコミたくなることもあるのですが、必要ならこちらから店員を呼んだり確認したりすればいいだけなので、冷静に考えれば何も大きな問題はありません。しかも、変にへりくだったり執拗に謝ってきたりすることもないので、お願いがあれば遠慮なくずけずけとお願いできますし、フレンドリーに話してコミュニケーションを楽しむこともできます。

テラスも店内もお客でごった返すビルバオのバル(2019年)

小さな子供を連れているときの対応について

日本

ベビーカーで入ることができるお店も増えてきましたが、店内の通路などが狭くて入れるところも限られます。入れたとして、ベビーチェアが置いてあるレストランや居酒屋も多くはないので、ひとりで椅子に座ることができない場合はベビーカーのままか膝の上に乗せるかして食事しないといけないので、それで入店をあきらめてしまう場合も多いです。

また、レストラン的なところでは店内が静かなことが多いので、そもそも子供を連れて入るのがはばかられてしまうこともあります。子連れで入った瞬間に、店員や他のお客からあまり歓迎されていない雰囲気を感じることもあり、子供が泣いても親以外の誰もあやしてくれません。そんなことを繰り返していると、そのうちだんだん「子連れでレストランやカフェには行きづらいから、もう少し大きくなるまで…」と出かけるのすら億劫になってきます。

スペイン

そもそもお店が広々としているところが多いので、ベビーカーでも入っていけますし、ほとんどのお店がテラス席もあるので(特に暖かい南に行くほど)、入れない場合は外で食事をするという選択肢があります。いったん席に座ったのちは、レストラン、カフェ、バル、どんなところでもたいていtrona(トローナ)というベビーチェアがありますので、私たちと同じテーブルで一緒に食事ができます。

そして、必ずといっていいほど店員や隣の席のお客さんが子供を見て微笑んでくれたり話しかけてくれたり。泣いても一緒にあやしてくれますし、そもそも店内がうるさい(もちろん良い意味で)ので、やきもきハラハラすることもなくむしろ楽しく過ごすことができます。

下に載せた写真のレストランでは、前後左右に来るお客と店員のほぼ全員がうちの子に構ってくれて、しかもうちの子もそれにニコニコ返すものだから、最終的には店員から「店内みんなこの子のファンになってるわ」と言われるほど。それがどこのお店にいってもそんな感じなので、子連れで飲食店に行くのが楽しくて仕方ありませんでした。

トレドのレストランでtronaに座るわが子(2024年)

最後にまとめ

なるべくニュートラルにと思って書いてみましたが、やはりどちらかというと開放的で細かいことを気にしなくていいスペインの飲食店の方が過ごしやすいなぁと思います。もちろん、トイレがきれいだったり、タブレット端末でスムーズに注文ができたり、日本のレストランや居酒屋の方が便利だなぁと思う面はありますが、特に子連れで楽しく飲食するならスペインの方が断然いいです。日本も、もっと店員が力を抜いて接客したり、お客も含めて子連れに余裕をもって接してくれるようになるといいんですけどね。

↑ランキングにも参加しているので、良かったらクリックしてみてください。