スペインめもら

スペインを旅したいすべての人に

【スペイン旅行のしおり】コーヒーの注文について

このカテゴリでは、旅行、生活、留学などでスペインに初めて行く人を対象に、まず知っておいた方がいい話を書いていきます。

そして今回のサブタイトルですが…

~ 孤独のコーヒー ~

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スペインのコーヒーの種類

まず、スペインのレストランやカフェでは、どんなコーヒーがあるのかメニューのようなものを置いてあるところが少ないです。もちろん、スターバックス的な現代的なカフェではあるにはあるのですが、レストランなどでは店員にいきなり「食後のコーヒーは何になさいますか?」的に言われることも多いです。

ただ、それでも問題なく注文できるのは、コーヒーのパターンが限られていて、かつどこも共通しているからです。日本のように、「このコーヒーチェーンにはあるけど、あっちのコーヒーチェーンにはない」というような独自のメニューというのはあまりありません。

では、どんなものがあるのかいくつか挙げてみると…

café solo(カフェ・ソロ)

いわゆるエスプレッソです。小さなエスプレッソ・カップで出てきて、とても濃いいですが、食後にガッと飲んで眠気を吹っ飛ばしたいときなどにどうぞ。これがすべての基本で、その他の種類はここにお湯、ホットミルクなどを足したバリエーションのものです。

café americano(カフェ・アメリカーノ

café largo(カフェ・ラルゴ)とも言います(厳密には違うらしいですが)。エスプレッソに、その倍ぐらいの量のお湯を加えて、エスプレッソを3倍 ~ 4倍に薄めたのがこれ。いわゆる日本でよく使うコーヒー・カップで出てきます。

café cortado(カフェ・コルタード)

エスプレッソに対して、同量のホットミルクを足して作ります。単純計算で café solo の倍の量になるわけですが、それでもまだ 100ml 足らずなので、強いお酒を飲むときによく使うショット・グラスのようなグラスやエスプレッソ・カップで出てくることが多いです。

café cortado
café con leche(カフェ・コン・レーチェ)

いわゆるカフェ・オレ。cortado よりもミルクの量が多くて、americano などと同様に普通のコーヒー・カップで提供されます。お店によっては、多少スチームしたミルクを使うこともあります。

capuchiono(カプチーノ

イタリア由来の飲み方なので、イタリア語で cappuccino と書くこともあります(もちろん、発音は同じく「カプチーノ」でOK)。café con leche にさらにスチーム・ミルクで作った泡を乗せたものです。シナモン・パウダーをかけてくれるものもあります。

capuchino
café con hielo(カフェ・コン・イエロ)

いわゆるアイスコーヒー。アイスコーヒーといっても日本のように水出し的なコーヒーはなく、普通に café solo(つまりエスプレッソ)に氷を入れて作ります。提供の仕方もワイルドで、普通にエスプレッソ・カップに入った café solo と、氷の入ったグラスを、「はい」と渡されます。そう、つまり自分で氷グラスに café を注いで冷やすんです。

ちなみに、スペインの氷はなぜか円筒型というか俵型のものが主流で、日本のような立方体のものはあまり見かけません。

café con hieloの注ぐ前

café con hieloの注いだ後
carajillo(カラヒージョ)

café solo にブランデーを加えて作るもの。バレンシアでは cremaet(クレマエチ)と呼ぶそうです。主にレストランなどでの食後に飲むことが多いです。スペインでは、食後に強いお酒を飲んで脂っこい食事を洗い流す(食道や胃から脂質を洗い流す的なイメージらしいです)ということをよくするので、そのタイミングで飲む人が多いようです。

café bombón(カフェ・ボンボン)

café solo にコンデンスミルク(練乳)をたっぷり入れたもの。甘いので、これもレストランなどでの食後にデザート的に飲む人が多いようです。私はほぼ飲んだことがない(1回ぐらいあったかな?)のですが、とにかく甘いものが好きなスペイン人のことですから、ものすごく甘そうな気がします。

descafeinado(デスカフェイナード)

デカフェのことです。cena(セナ:夕食)の後、普通の café ではカフェインが入っていて寝られない、という私のような人にはこれがおススメ。もちろん、cortado や con leche などにしてミルクを加えて飲むこともできます。

ホテルでよく見る Nespresso のコーヒーサーバー

ホテルでは、ほとんどのところが Nespresso のコーヒーサーバーを使っています。いろいろなタイプのサーバーがあるのですが、基本的にはカプセルを入れてフタをし、ボタンを押すだけです。押すだけといっても、このボタン、実はいくつか付いてます。ただ、それも前述の café のタイプを知っていればすんなり理解できると思います。

コーヒーカップに半分ぐらい満たされているアイコンのボタンが café solo、上の方まで満たされているのが café americano という感じです。cortado や con leche にしたければ、大きなコーヒーカップに café solo を注ぎ、自分で近くにあるスチームミルクのポットから好きなだけミルクを注げばできあがりです。もちろん、最初からミルクタンクが付いている機種もあるようです。

そんなわけで、我が家もスペインから帰国して早々、Nespresso のサーバーを買ってしまいました。朝からスペインのホテルのような気分で幸せ…。

我が家に導入したNespressoサーバー

最後に

ということで、この記事ではスペインのカフェテリアやレストランでコーヒーを注文するときに知っておいた方がいい話を書いてきました。

最後にいつもの伏線回収ですが、ここまで見てきたように Café Solo は決して「孤独のコーヒー」というわけではなく(そんなこと思う人いないかなw)、エスプレッソということです。今回はオチが弱いですが(いつもがちゃんとオチてるわけではないかもしれませんが)、そんなところです。

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【スペイン旅行のしおり】よく使う「以上です」のスペイン語

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そして今回のサブタイトルですが…

~ 助さん!格さん!もういいでしょう!~

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個人的にスペインで一番使うと思われる便利なフレーズ

見出しのとおりなのですが、スペインに旅行などで行った際に一番使うと思われるのがこれ。

¡Ya está! (ジャ・エスタ)

最後のáにアクセントが付いているので、「エス」とタの部分を強く発音します。

私の好きなアンダルシア地方だと、s を飲み込んで発音するので「ジャ・エッタ」みたいになったり、南米の一部だと「シャ・エスタ」と濁らずに発音したりすることもあるかと思います。

そして、肝心の意味は「これでおしまい」「もう大丈夫」「以上で」というように、何かの最後に付けるような形で使います。

イメージがわくようにいくつか事例を。私がスペインに旅行した際にも例えば、以下のようなときに使いました。

  • タクシーに乗るとき
    • スーツケースや大きなカバン、ベビーカーなど荷物がいっぱいあった
    • タクシーの運転手が順にトランクに積んでくれて、すべての荷物を載せることができた
    • ¿Ya está? (これで全部かな?)
    • もちろん、返答も。Ya está. (Sí. や Ya. だけでもOK)
  • レストランで
    • メニューを見ながら注文し、「これとこれと、あとこれも」とすべて頼み終わった
    • Ya está. (注文は以上です)
    • その後、食べ終わったお皿を指して、店員が ¿Ternimado? (食べ終わりましたか?)
    • それに答える形で Ya está. (終わりました。)
  • ホテルで
    • 湯沸し器を借りたものの、使い方が分からずに従業員に聞いてみたところ
    • Verter agua, connectar al enchufe, pulsar este botón, y ya está. (水を注いで、コンセントにつないで、このボタン押して、それだけで大丈夫です。)
    • チェックアウトの手続きで、お支払いをし、部屋の鍵を返して…
    • Ya está, muchas gracias. (お会計は以上です。ありがとうございました。)

というような感じで、何かをこれで終わりと言いたいようなときに使います。意外と日常生活の中でよく使う場面があるのと、とにかく短いフレーズなので本当に便利です。

他にこんなところでも

日常生活の中でももちろん使うのですが、なるほどこんなところでも使うのねと思った例として、先日スペインのニュース番組を見ていたときのこと。

ある犯罪組織のアジトと思われるところに警察官が突入し、居合わせた犯罪者たちをお縄にしている場面だったのですが、この緊迫の場面でも警察官たちが ¡Ya está! ¡Ya está! と口々に叫んでいました。私も日本の『列島警察24時』的な特番が好きでよく観ているのですが、日本の警察官ならおそらく「(犯人)確保!確保!」というところでしょうか。または「もうおしまいだ!おとなしくしろ!」みたいな意味で犯人たちの逃走意欲を削ごうとしていたんだと思います。

これはレアな例ではありますが(一生のうちでそんな場面に出合わせることは、まぁまずないと思いますがw)、ここでもやはり「これで終わりだ」のような使い方をしているのだと思います。

バルセロナの地方警察のパトカー(2015年)

最後に

ということで、今回はスペイン旅行で便利に使える Ya está. について書いてきました。

最後にいつものように伏線回収。私は小学生の頃、時代劇が好きで、実家の近くにある祖父母の家によく遊びに行っては、夕方5時台に放送されていた『水戸黄門』を祖父母とまったり観ていました。

毎回、悪代官と悪徳商人が結託して、善良な村人たちを苦しめるというお決まりパターンのストーリーなんですが、小学生の私は最後の3分(17:40ぐらい)の助さん、格さん、忍者たちが悪人の手下たちと格闘するシーンが大好きで、そこだけを見ることもよくありました。

そしてそのシーンの最後がまたお約束の流れでして…。黄門様が「助さん!格さん!もういいでしょう!」と叫び、助格さんたちが「しずまれー、しずまれーい!」と声を張り上げます。すると、なぜかさっきまで暴れていた悪人たちが大人しく整列し始め、最後に印籠が出てくるという日本人なら誰でも知っているあの場面になります。

…何が言いたいのかというと、この最後の「助さん!格さん!もういいでしょう!」。これ、もしもスペイン語に訳して放送するのであれば、"Suke! Kaku! Ya estáááááá!!!!" とでもなるのかなと。そう思った次第です。それだけ。w

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【スペイン旅行のしおり】街中の公共設備

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〜受け流すのは…そっちじゃない!〜

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トイレ事情

いきなり冒頭からキレイでない話で恐縮ですが、公共の場のトイレについて。スペインというよりも、海外のトイレはそもそもあまりキレイではありません。というよりも、日本のトイレがキレイすぎるだけかもしれません。ただ、これはあくまで個人的な印象ですが、2011年に初めてスペインに行ってから何度か行くうち、年々キレイになってきている気がします。

ちなみに、トイレはbaño(バーニョ)もしくはaseo(アセオ)、servicio(セルビシオ)などと言います。bañoは、家にあるお風呂とトイレを含む部屋のことを指すことが多いので、お店や公共施設などではaseoやservicioと言うことの方が多いですかね。とはいえ、どちらでも通じます。

そもそも街を散策中にトイレに行きたくなった時、スペインでは昔はカフェやバルなどに、特に飲食などしないのにトイレだけ借りに入るということも割りとできました。それが、最近は以下のような張り紙や看板ではっきりと「利用客以外のトイレ使用はお断りします」というところも増えてきました。やはり、コロナの影響でしょうか。

  • baños sólo para clientes
  • baños uso exclusivo para clientes

さて、その辺のお店のトイレにふらっと入れないとなると、日本でもそうですが次に探すのは駅などの公共施設、またはデパートなどの大きな商業施設ではないでしょうか?スペインでもそのあたりは変わらないのですが、なんとスペインの一部の駅には有料トイレなるものが存在します。実は日本でも最近、出てきているようです(私は池袋駅で見たことがあります)。

この有料トイレ、マドリードのアトーチャ駅やバレンシアホアキン・ソロージャ駅など、高速鉄道が止まる大きな駅で見かけることができるのですが、常に掃除の方が常駐で立っていて、利用者が利用したそばからキレイに掃除してくれます。

値段は、2024年春に行った時でアトーチャ駅、ホアキン・ソロージャ駅ともに 1 € でした。もちろん、併設されている赤ちゃんトイレもキレイでした。注意点として、場所によっては有料トイレの近くに両替機がなかったりするので、駅に行く前にお札を崩して 1 € 硬貨を作っておいた方がいいでしょう。

アトーチャ駅の有料トイレ(2024年)

有料トイレに入るための券売機(2017年)※この当時は0.60€でした

それから、どうでもいいことなのですが、スペインの便器の便座は下ろすときに何の緩衝装置もないので、ものすんごい「バーーーーン!」ってなります。やってみると分かります(やらなくてもいいですが 笑)。スペインに着いたばかりの時は、いつもこれを忘れていて便座バーーーーンで鼓膜かなりやられます(笑)。

毎日いろいろ壊れている

とにかく、常にいろんなものが壊れていて、笑います。バスターミナルのドア、トイレのハンドドライヤー、駅の自動券売機…。思い出すだけでもキリがありません(笑)。壊れているものには、以下のような張り紙があります。

  • Fuera de servicio
  • No funciona
  • Está averiado/a

どこだったか忘れましたが、駅のトイレで便器が5つ中3つ壊れていて長蛇の列。仕方なく、駅構内の反対側にあるトイレにいったら、今度は5つ中2つが壊れて使用禁止になっていました。

とあるマドリードのホテルでも、朝食会場に2つあるコーヒーメーカーのうちのひとつが壊れていて、従業員が「こっちは壊れているから、もうひとつの方を使って」と必死に並んでいる人を誘導していました。そのうち、もうひとつの方も調子が悪くなり…。スペイン人にとって、朝食後にコーヒーを飲めないのは死活問題なのでもう大変な騒ぎ。従業員がわらわらと出てきて「オレはこっちを見るから、おまえはあっちが動かないか確認してくれ」「どうしたどうした、やっぱりオレが見る、貸せ」という感じで、優雅に朝ごはんを食べている横で、ガツンガツンと何かを叩いてみたり、スイッチを入れ直してみたり(笑)…。

そして、なんでこんなにモノが壊れているのか…。個人的に考察すると以下の2つかなと思います。

  1. 公共のモノをあまり大事にしない
  2. 壊れてから修理までに時間がかかる

1. は、スペイン人のあまり良くない部分かもしれませんが、とにかく街中にgrafiti(グラフィティ:落書き)があったり、そのあたりに置いてあるモノを勝手に使ったり。日本人がモノを大切にする国民性だけに、このあたりは文化の違いも感じます。

そして、2. のように何かを修理するまでの時間も長め。日本だと、「承知しました。今日中になんとか修理を手配しますが、最悪2~3日お待ちいただくことになるかもしれません」なんていう迅速・適時なサービスとは違って、「OK、担当者がバケーション中なんで、来月でいいかな?」というようなスピード感でしか物事が進みません。私もRenfe(レンフェ:スペインの国鉄)にチケット購入後の問い合わせをしたのですが、返信が来るまでに1か月ほどかかりました。

「壊れているよ」の表示その1(2024年)

「壊れているよ」の表示その2(2024年)

信号と自転車専用道

次は街に出てみましょう。歩いていると当然見かけるのが信号。ほとんど日本の信号と同じですが、車用の信号機が歩行者信号のすぐ上にあるところが多いです。

車用の信号と歩行者用の信号(2017年)

この信号の注意点としては、点滅時間が短いことです。日本だと点滅してから5秒前後、大きな通りだと10秒近くしてから赤になりますが、スペインの点滅は本当に2、3秒。しかも、歩行者信号が赤になってから車用の信号が青になるまでの間隔は日本よりも短いので、あっという間に車道が青になります。なので、点滅したら無理して渡るのはやめましょう。朝夕のラッシュ時などは飛ばしてる車も多いので結構危ないです。

あと、知っておくと何かの時に役立つかもしれませんが、青信号はスペイン語でverde(ベルデ:緑)です。azul(アスール:青)といっても通じません。これは、日本語の青と緑の呼び方にまつわる歴史的な背景が絡んでいるのですが、長くなるので気になる方は各自で調べてください(笑)。

そして、信号とともに注目したいのがcarril bici(カリル・ビシ:自転車専用レーン)。

セビージャの歩道にあるcarril bici(2017年)

大都市には結構どこにでもあって、うっかりここを歩いてると、結構なスピードで自転車が飛ばしてきますので本当に危ないです。最近では、自転車よりもpatinete(パティネーテ:電動キックボード)が大流行中ですので、常にすごいスピードでそれらが行きかっています。

しかも、セビージャなどの石畳の道が多いところでは、以下の写真のように道に鋲が打ってあるだけだったりしますので、結構分かりにくいです。これも注意が必要です。

セビージャの街中のcarril bici(2017年)

それから、車や自転車は右側通行なので、道を渡るときはまず左から車が来ます。これ、どうしても日本のクセで右に注意を払っちゃいますが、スペインではちゃんと左を見て確認してから渡らないと、近くまで車やpatineteが来ていても気が付けないので危ないです。

景色や建物に見とれて事故らないよう、気をつけて街中を歩きましょう。

ゴミ箱

日本と違い、ゴミ箱が街中のいたるところにあります。もう、それはそれは日本の電信柱と同じぐらいの間隔で。私は日本でスペイン人観光客のボランティア・ガイドもしているのですが、訪日したスペイン人に必ず聞かれるのが「どうしてこんなにゴミ箱がないのか?」という質問。

おそらくは、昔の地下鉄サリン事件のときに不審なものが投げ込まれないようにと、ほとんどの場所から撤去されたのがはじまりだと思いますが、本当に日本の街中にはゴミ箱がありません(最近ではコンビニの店頭のものも店内に移動されていますしね)。

そして、皮肉なことに、ゴミ箱のない日本の方が街がキレイで、ゴミ箱がたくさんあるはずのスぺインの方が道端にゴミが散らかっている。これも国民性の違いなのか、面白い対比です。

街灯の下にあるごみ箱(2017年)

そしてこのゴミ箱、よほど危険物などでない限り基本的にはなんでも捨てられるんですが、たまにenvaso(エンバソ:容器)と書いてあるものもあります。だいたい黄色く縁どられていたりするので、それでも見分けがつくのですが、これはビン・缶・プラスチック容器の専用ゴミ箱。こういうところはスペインでもきちんとリサイクルを考えて分けられていたりしますので、分別に協力して捨てるようにしましょう。

エレベーターと階の表記

これも日本から観光で行った際に最初に気が付いて驚くことのひとつですが、スペインは2階が1階です。何を言っているの?という感じですが、地上の階は0階もしくは、planta baja(プランタ・バハ:地上階)という言い方をします。

そのため、ここもひとつのハマりポイントなのですが、エレベーターに乗った際に [B] と書いてあったら、それは地下(英語でいうbasementでB)ではなく、Planta BajaのB、つまり日本でいう1階です。

では、地下の階はというと、地上階が0階なのでマイナスで表記します。ということで、以下の写真のような形になります。

スペインのエレベーターには0階がある

あともうひとつ、これも大きな問題ではありませんが、日本のエレベーターによくある「閉じる」ボタンがないことが多いです。スペイン人はそこまで急いでいないから必要ないのかなと、個人的にはそれで納得していますが、それでも急いでいるときはあるっちゃありますよね。そんなときは、その行先の階数ボタンをもう一度押すと閉じるようです。この辺りは、エレベーター個別に仕様が違うようなので、一概にすべてがそうとは言えませんが、試してみる価値はありそうです。

最後に

ということで、この記事ではスペインの街にある公共の設備について書いてきました。日本といろいろ違う部分が多いので、慣れるまでは戸惑うことも多いかと思います。スペインに旅行などで初めて行く予定の方は、ぜひこの記事を読んで、初めてのスペインの街中で車にひかれたり、エレベーターで目的階にたどり着けなかったりしないよう、役立てていただければと思います。

最後にサブタイトルの伏線回収ですが、一昔前、お笑い芸人で「右から来たものを左に~」というギャグでちょっとブレイクした人がいましたね。懐かしすぎて知らない人も多いかも…。このギャグ自体まったく車とは関係ないですが、スペインでは左から車が来るので「左から来たものを右に受け流し」てから道を渡るようにしてください。スペインに行ったら「ムーディー○山さんの逆」と覚えておけばいいわけです。

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【スペイン旅行のしおり】昼定食はMenú del día

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〜メニューは見るものじゃなくて食べるものです〜

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スペインのランチ定食

前の記事で、スペイン旅行中のお昼ご飯について書きました。

esp.pianoslap.blog

その中でも少しお話したのですが、お昼の定食としてMenú del día(メヌー・デル・ディーア)というものがあります。バルなどでお昼ご飯を食べる際は、Carta(カルタ:メニューのこと)から一品ずつ選ぶ方式もいいのですが、このランチ定食にあたるMenú del díaもおススメです。

それぞれのMenú del díaは、ひとり前の料理と飲み物、さらにパンとcafé(カフェ:コーヒー)またはpostre(ポストゥレ:デザート)がついてだいたい15€から20€です。ちなみに、昔は10~14€のものもあったのですが、最近は物価の高騰で15€前後が当たり前になっています

このMenú del díaはそれぞれのお店ごとに特色があって、地元の名物料理なども味わうことができるので、手軽かつお得にお昼ご飯を楽しめます。

Menú del díaを提供しているお店は、写真のようにPrimeros(プリメーロス、1ro.または1er.とも書く)とSegundos(セグンドス、2do.とも書く)と書いてある看板を出していますので、これを探すのがいいでしょう。看板がなくても、Menú del díaを提供しているお店はありますので、テラス席あたりに店員がいれば聞いてみてもいいかもしれません。

セビージャのCervecería(居酒屋)のMenú del día(2017年)

まずは飲み物から

お店に入ったら早速このMenú del díaを注文していくわけですが、スペインでは、どこの飲食店でもたいていはじめに飲み物を聞いてきます。しかも、そのときにメニューなどなく、いきなり "De beber?(デ・ベベール?:飲み物は?)" と聞いてくることがほとんど(もちろん、ある程度高級なレストランなどであれば、最初に飲み物メニューとワインリストを持ってきてくれますが)。

アルコール類としては、ビールならcerveza(セルベッサ)、ワインならvino(ビノ)でだいたいこと足りるかと思いますが、もちろん他にもいろいろあります。cocteles(コクテレス:カクテル)など、甘いお酒はスペインでは食事中にはあまり飲まないので、ダメとは言いませんが注文しようとすると、皆に「えっ、甘いけどいいの?」と突っ込まれるかもしれません。

アルコール類
  • cerveza(セルベッサ:ビール)
  • vino(ビノ:ワイン)
    • vino tinto(ビノ・ティント:赤ワイン)
    • vino blanco(ビノ・ブランコ:白ワイン)
    • vino rosado(ビノ・ロサード:ロゼワイン
  • cava(カバ:発泡ワイン
  • vino de jerez(ビノ・デ・ヘレス:シェリー酒)
    • fino(フィノ:すっきり系で1杯目に最適)
    • manzanilla(マンサニージャ:すっきり系で1杯目に最適)
    • amontillado(アモンティジャード:少ししっかり目)
    • oloroso(オロロソ:しっかり目)
    • 他にもいろいろありますが、食事中に飲むとしたら上記のあたり
  • cidra(シードラ:リンゴのお酒、シードル)
ノンアルコール

清涼飲料水のことは、refresco(レフレスコ)と言いますので、アルコールが苦手な方は以下のあたりから選びましょう。

  • coca-cola(コカ・コーラ
  • fanta(ファンタ)
    • fanta naranja(ファンタ・ナランハ:オレンジ味のファンタ)
    • fanta limón(ファンタ・リモン:レモン味のファンタ)
  • zumo(スーモ:果物ジュース)
    • naranja(ナランハ:オレンジ)
    • piña(ピーニャ:パイナップル)
    • melocotón(メロコトン:桃)
  • mosto(モスト:ぶどうジュース)

もちろん、agua(アグア:水)もひとつの選択肢です。日本ではレストランや居酒屋でお水をわざわざ注文することは、まずないと思いますが(注文というよりタダなので)、スペインでは上記のジュースなどと同様に注文することができ、ちゃんとボトルで出てきます。

また、コーヒーも基本的には食事の前や食事中ではなく、最後に飲むものなので、上記のリストには入れていません。日本ではよく、ファミレスなどで食事とともにコーヒーを注文することができて「コーヒーは先にお持ちしますか?あとにしますか?」と店員が聞いてきたりしますが、スペインではそういった場面は見たことがありません。やったことはありませんが、食事と一緒にコーヒーを注文すると「ん?カフェなら食後に付いてるよ」と言われる気がします(もちろん、ダメということはないのですが、あまり一般的ではないというだけです)。

次に料理

次はPrimerosとSegundosそれぞれの料理を選んでいきます。料理については、かなり多岐にわたるのでひとつひとつはこの記事では説明できませんので、別記事としてまとめます。

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Primerosは、スープ、サラダなどの軽めのものが中心です。アンダルシアの夏の暑い時期などは、私はsalmorejo(サルモレホ:トマトのきいたガスパチョ的なスープ)が好きで、出てくるとすぐにペロッと飲み干してしまいます。

Segundosはお肉や魚などのメイン料理、もしくはpaella(パエージャ)パスタなどの主食系料理が中心です。私はワインが好きなので、まずこのSegundosで何を食べるのかをなんとなく考えてワインの赤白を選んだりします。前に書いたように最初に飲み物を聞かれてしまうので、肉・魚どちらか決められていない場合はビールにしたり。

ちなみに、Menú del díaはパンも無料で付いてくることが多いので、このSegundosのお皿のソースに付けて食べたりすることもできます。この「お皿に残ったソースにパンを浮かべて浸す」という行為には名前がついていて、barquitos(バルキートス:小舟)と言うそうです。もしもまだソースが残っていてパンで食べたいのに店員がそれを下げようとした場合は、身振りも交えつつ "barquitos!" と言うか、ある程度スペイン語が分かる方は "Déjalo para hacer (またはechar) barquitos!" のように伝えて残しておいてもらいましょう。

締めはコーヒーかデザート

すべて食べ終わったころに、今度は店員が "café o postre?" と聞いてきます。スペインでのコーヒーについても日本のそれといろいろ違うので、そのあたりはまた別の記事でまとめたいと思います。もちろん、コーヒーであるcafé以外にも、té(テ:お茶)やinfusión(インフシオン:ハーブティー)などを頼むこともできます。

デザート

スペイン人は甘いものが大好きなので、デザートであるpostreを頼む人も多いです。よくあるものとしては…

  • flan(フラン:プリン)
  • helado(エラード:アイス)
  • sorbete(ソルベーテ:シャーベット)
  • tarta(タルタ:ケーキ)
  • tocino de cielo(トシーノ・デ・シエロ:卵黄で作った濃厚プリン)
  • crema catalana(クレマ・カタラーナ:カタルーニャ風クリームプリン)
  • tiramisú(ティラミス)
  • natilla(ナティージャ:プリンをクリームにしたようなデザート)
  • bizcocho(ビスコッチョ:カステラのようなスポンジケーキ
  • arroz con leche(アロス・コン・レーチェ:ライス・プリン的なお米のデザート)
  • torrijas(トリハス:揚げフレンチトーストといった感じのもの)
  • cuajada(クアハーダ:甘くない牛乳プリン)
  • batido(バティード:ミルクセーキのようなもの)

これだけ挙げれば、どれかはお店にあると思います。あとは、それぞれの地方の名物デザートもあったりするので、それが良ければ "postre típico(ポストゥレ・ティピコ)?" や "Hay algún postre típico de aquí?" のように伝えて教えてもらいましょう。

バリエーション

そもそもこのmenú(メヌー)というのは、定食のようなセットのことを指します。なので、他にもMenú de la casa(メヌー・デ・ラ・カーサ:当店のおすすめ定食)やMenú de Feria(メヌー・デ・フェリア:お祭り期間の限定セット)といったものもあります。

Menú del díaとMenú de la casa(2024年)

また、PrimerosとSegundosではなく、Entrantes(エントランテス:前菜)とPrincipales(プリンシパレス:メイン料理)となっている場合もあります。この場合、Entrantesは選ぶのではなく書いている3品程度がすべて出てきて、Principalesの方を選ぶ形式が多いようです。選ぶものには、おそらくa elegir(ア・エレヒール)と書いてあります。

最後に

スペインのお昼ご飯は、とにかくたくさん食べます。なので、普通に数皿頼むと、「これ、1人 or 2人じゃ食べきれないよ!」という量がお皿に盛られてきて、大変なことになることもあります。そこで、このMenú del díaをうまく頼んで1人分のランチを楽しみましょう(とはいえ、やっぱり量は多めなのですが…)。
最後にサブタイトルの伏線回収ですが、何度も出てきたこのmenúという単語、知らないといわゆる「メニュー」だと思って「なんだ、このお店、メニューに載ってる料理、少ないな」と思いがちですが、これは「定食/セット」のことです。見るメニューはcartaで、メニューは食べるものです。
というわけで、スペイン旅行中はぜひこのMenú del díaを楽しんでください。
ちなみにスペインの食文化に関しては、こちらの書籍も面白いのでもし良かったらこちらの記事も参考にしてください。

【スペイン旅行のしおり】お昼ご飯はどうしよう?

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そして今回のサブタイトルですが…

〜お客さん、パエリアじゃなくてパエージャです〜

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お昼ご飯の探し方

旅行で海外の街を訪れたときの最大の楽しみのひとつはお昼ご飯、という方も多いでしょう。私もそのひとり。

では、もしもまだ慣れないスペインの街でお昼ご飯を食べるとなったら、どんな風に探すのがいいのでしょう?

私の場合ですが、Google Mapで検索してみます。…おい、当たり前だろうと言われるのはごもっとも。ただ、このときにどんなキーワードで探すのかが重要。

「お昼ご飯なら、レストラン」ということで、レストランはスペイン語でrestaurante(レスタウランテ)なのでそのように打ち込んで検索するのも…悪いとは思いません。ただ、場所にもよりますがレスタウランテはどちらかというと、ちょっと高級な食事をする雰囲気のところが多いので、ひとり40〜50€かかってしまうことも。

では、どんなキーワードで探すのがおすすめかと言うと、bar(バル)、 cervecería(セルベセリーア)またはtaberna(タベルナ)といったあたりです。

まず、barは最近日本でもこの言葉で営業するお店も増えてきましたが、いわゆる一般的な居酒屋です。cerveceríaは、スペイン語でビールという意味のcerveza(セルベッサ)から来ているので、当然ビール推しの居酒屋。夏の暑い日に観光して、お昼はビールが飲みたーい、というときにはcerveceríaを中心に探してみるのもいいでしょう。

もうひとつ、tabernaというのは、タベルナと言いながら食べられるところです(スペイン好きな人の定番ダジャレです…すいません)。barなどに比べて、食事を重視している「居食屋」的なものだと思ってください。

これらのキーワードでざっと探してみて、コツとしてはそれらが密集しているエリアにアタリを付けること。いくらGoogleの口コミ評価で4.5以上など付いているお店があっても、ポツンと一軒のみで周りに他のお店がない場合、もしそのお店に何らかの理由(臨時休業、満席など)で入れなかったときのつぶしがききません。なので、数軒立ち並んでいるエリアを見つけて、あとは実際にそこまで行って外からお店の雰囲気を見つつ決めるのがいいと思います。

お昼ご飯のエリア

では、次にその「アタリを付けられそうなエリア」が複数あったときは、どんな基準で選んだらいいんでしょう?

以下にいくつか私なりに思う特徴をまとめてみます。

メイン観光スポットの近く

メイン観光スポットというのは、その街の名前で画像検索したときにだいたいヒットしてくる写真の場所。それはカテドラルかもしれませんし、塔かもしれませんし、橋かもしれません。

そして、これはどこの国でもそうですが、たくさんのお店がひしめいていて、割りとお店も探しやすいです。

メリットとしては、英語メニューがあったり、スタッフが英語で接客してくれたり、観光客にとってハードルが低いこと。

デメリットは、値段が割高になりがちなことと、観光客ダマシのステレオタイプ料理が多いこと。スペインは各地域ごとにその地域独自の料理があって、それを食べるのも楽しいはずなのですが、「スペインといえばパエリアでしょ!」「スペインといえばガスパッチョでしょ!」みたいな、その地域と関係ない当たり前料理に満ち溢れているお店もあります。そして、さらにひどいところは、「これ、冷凍食品?」的に大量生産、大量レンチンで提供されるようなものしか出てこないこともあります。

もちろんそういったお店は一部ではありますが、少し注意が必要です。

Plaza Mayor(プラサ・マジョール)の近く

スペインの大きな街には、だいたいPlaza Mayorと言う「中央広場」があります(私の好きなセビージャは、なぜかPlaza Nueva(プラサ・ヌエバ)というのがこれにあたるんですが)。そして、だいたい四角いです。

この中央広場周辺は、割りと飲食店が集まっていて、地元の人が利用するお店も多く、良いお店が多い印象です。

どうしても人が集まるところなので、価格帯は少し高めですが、観光客でごった返しているメイン観光スポット周辺よりはちゃんと現地の地元料理が食べられると思います。

Plaza Mayor以外のPlazaと名のつく少し広めの広場があれば、そういったところの周辺も良いお店があったりします。地図で見て、ポッカリ建物がない部分があればそこです。

たとえば、セビージャのPlaza de San LorenzoやトレドのPlaza de Zocodoverなど。

アビラのPlaza de Mercado Chicoの飲食店(2016年)
旧市街/新市街

スペインの大きな都市は、だいたい旧市街と新市街に別れています。旧市街は昔、城壁に囲まれていた地区で、街の地図を見てなんとなーく楕円形や多角形でぐるっと街を囲むような大きな通りが見えてきたら、多分それです。旧市街は道が狭くて不規則にうねうねしていて、逆に新市街は真っ直ぐな道で仕切られた碁盤の目のような形をしているので、そのあたりからも判別できます。

城壁が一部残っている都市ならGoogle Map上で城壁を意味するスペイン語、muralla(ムラージャ)で検索してみても分かるかと思います。

そして、肝心のお昼ご飯のお店探しという観点では、まさに新旧そのままで、旧市街地には歴史のありそうな伝統的なお店が多く、新市街には割りとキレイで新しめなお店が多い印象です。ずっと地元の伝統料理ばかり食べていて飽きてしまうという場合は、たまには新市街でお店探しをしてみるのもいいかもしれません。

へレス・デ・ラ・フロンテーラの地図でmurrallaを検索するときれいに丸く囲むことができ、この内側が旧市街

お店に入ったら

ようやくめぼしいお店を見つけたら早速入ってみましょう。スペインではテラスがあるお店もよくあるので、席が空いていたら特に店員さんに案内されるでもなく適当に座って大丈夫です。外が暑すぎる、寒すぎるなどあれば、店内にふらふらっと入っていきましょう。

テラス席にせよ店内にせよ、店員にまずはHola!(オーラー)と声をかけましょう。店員もHola!と返して来て、人数を聞いたり店内の席に案内してくれたりします。このあたりは日本と変わらないので、スペイン語/英語などでコミュニケーションを取りましょう。

そして、ここからは店員の対応として、大きく2つのパターンがあります。

いきなり飲み物の注文を取りにくる場合

テーブルに着くなり、いきなり "De beber?(デ・ベベール?:飲み物は?)" と聞いてくる店員もいます。飲みたいものがなんとなく決まっている場合は、ビールならCerveza(セルベッサ)、ワインならVino(ビノ)と頼みましょう。ノンアルコールの場合は、水がagua(アグア)、清涼飲料水がrefresco(レフレスコ)なので、それでなんとかなると思います。

Carta(カルタ:メニュー)を持ってきてくれる場合

スペイン語でメニューのことはCarta(カルタ)と言います。日本でカルタといったら、お正月にやるあれですが、あれはもともとポルトガル語のCarta(カルタ:カードのこと)から来ていて、こういったカード的なものや手紙など、「紙のしっかりしたヤツでなんかいろいろ書いてあるもの」全般のことをCartaと言います。スペイン語ポルトガル語は共通している単語も多いので、この場合も同じ単語です。

話を戻して、そのCartaなるメニューをもらい、注文していきましょう。そして、ここでやや話がややこしくなるのですが、Cartaの中にMenú(メヌー)というのがあれば、それは定食です(字面はメニューですが、前述のとおりメニューはCarta…ややこしい)。このあたりは別の記事でまとめますが、お昼のランチ定食セット的なものとしてMenú del díaというものがあって、これがあれば頼んでみるのもおススメです。

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もしもMenú del díaがなければ、あとは辞書片手に調べたり、Googleの翻訳機能などを頼りにがんばって頼みましょう。もちろん、英語メニューを出してくれるお店も多いです。

難しいなぁという場合は、ものすごくざっくりと以下にまとめましたので、ここから好みのものを店員に伝えておススメ(recomendación:レコメンダシオン)を聞き、それを頼むのもいいと思います。

  • 肉:carne(カルネ)
    • 鶏肉:pollo(ポジョ)
    • 豚肉:cerdo(セルド)
    • 牛肉:ternera(テルネーラ)
  • シーフード:mariscos(マリスコス)
  • サラダ:ensalada(エンサラーダ)
  • 米:arroz(アロス)
  • デザート:postre(ポストゥレ)
    • ケーキ:tarta(タルタ)
    • プリン:flan(フラン)
    • アイス:helado(エラード)

より細かくは、別の記事にまとめましたので、そちらも参照してください。

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このスペインのレストランでのメニューの読み解き、スペイン語の中級以上である程度勉強していても、いつもすごく難しいです。たとえば、肉であれば単なる豚・牛・鶏という単語だけ覚えていてもダメで、「ヒレ肉の○○風煮込み」「スペアリブのハチミツ漬け」のように、細かい部位で書いてあったりするので、教科書的なスペイン語ではなかなかお目にかからないものばかり。
そこで、せっかく旅行で来たのなら、直感で選んでみるのも面白いかもしれません。「チョコ」って書いてあるのを選んだらイカが出てきたり、「トロ」って書いてあるからマグロの刺身かと思ったら牛肉の煮込み料理が出てきたりしますので。(笑)
あともうひとつ付け加えるとするならば、だいたいにおいてスペインの飲食店では量が多かったりしますので、1~2品頼んで様子を見るか、ハーフサイズ的なものを頼んで少しずつ食べるのをおススメします。日本の居酒屋のように3品、4品と頼んでしまうと、テーブルの上がお誕生日パーティーになります。
¡Que aproveche!

最後に

ここまで、旅行の楽しみのひとつでもあるお昼ご飯について、スペイン旅行ではどうやって探していくといいのか、書いてきました。いろんな地方や季節ごとに、お店でいろんな料理が出てきますが、いずれにせよ、スペインの料理はほとんどハズレなく美味しいのでご心配なく。ここまで書いてきておきながら言うのもなんですが、難しく考えるよりも、パッと気になったお店に入ってみるのもいいと思います。
最後にサブタイトルの伏線回収ですが、とあるお笑い芸人のネタの中で「お客さん、ピザじゃない!ピッツァです!」というものがありましたが、同様に「パエリアじゃなくて、パエージャです!」なんです。観光地の中心部によくある「スペインだからpaellaでしょ」的なありきたり料理を出す「パエリア」なお店ではなく、ちゃんと地元の名物料理を本格的に作ってくれる「パエージャ」なお店に行ってみてください。
ちなみにスペインの食文化に関しては、こちらの書籍も面白いのでもし良かったらこちらの記事も参考にしてください。

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【スペイン旅行のしおり】スペインのレストランでメニューの解読に困ったら

この記事は、どちらかというと私の備忘録的に書き留めておくものです。スペインのバルやレストランで、いつもメニューの解読に困るので、よく目にするものをまとめておきます。同様の方々に少しでも役に立てばと思い、公開します。

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肉:carne(カルネ)

  • 鶏系:pollo(ポジョ:鶏肉)
    • pechuga(ペチューガ:むね肉)
    • ala(アラ:手羽先)
  • 豚系:cerdo(セルド:豚肉)
    • lomo(ロモ:ロース肉)
    • solomillo(ソロミージョ:ヒレ肉)
    • presa(プレサ:肩ロース)
    • carrillada(カリジャーダ:ほほ肉)
    • costilla(コスティージャ:(背側の)スペアリブ)
    • chuleta(チュレータ:(腹側の)スペアリブ)
    • secreto(セクレト:バラ肉あたりの希少部位)
  • 牛系:ternera(テルネーラ:牛肉)
    • vaca(バカ:雌牛)
    • toro(トロ:雄牛)
    • cecina(セシーナ:牛の生ハム)
    • lomo(ロモ:ロース肉)
    • solomillo(ソロミージョ:ヒレ肉、サーロイン)
    • carrillada(カリジャーダ:ほほ肉)
    • costillar(コスティジャール:スペアリブ)
  • その他系
    • jamón(ハモン:生ハム)
    • morcilla(モルシージャ:豚肉を豚の血で固めたソーセージ)
    • torrezno(トレスノ:揚げベーコン)
    • cordero(コルデーロ:子羊)
    • conejo(コネホ:うさぎ)
    • caracol(カラコル:エスカルゴ)
    • albondigas(アルボンディガス:肉団子)

シーフード:mariscos(マリスコス)

  • 魚:pescado(ペスカード)
    • bacalao(バカラオ:タラ)
    • atún(アトゥン:マグロ)
    • merluza(メルルーサ:タラ科の魚)
    • boquerones(ボケローネス:イワシ
    • bonito(ボニート:カツオ)
    • lubia(ルビア:スズキ)
  • 貝系
    • mejillon(メヒジョン:ムール貝
    • vieira(ビエイラ:ホタテ)
    • zambriñas(サンブリーニャス:小型のホタテ)
    • ostra(オストラ:カキ)
    • almeja(アルメハ:アサリ)
    • tellina(テジーナ:少し小ぶりなアサリ)
  • エビ系
    • gamba(ガンバ:小型のエビ)
    • camarón(カマロン:小型のエビ)
    • langostino(ランゴスティーノ:車エビ)
  • タコ系
    • pulpo(プルポ:タコ)
  • イカ
    • calamar(カラマール:イカ
    • sepia(セピア:コウイカ
    • chipironón/chipirones(チピロネス:小型のイカ
    • choco(チョコ:小型のイカ
  • カニ
    • cangrejo(カングレホ:カニ

野菜:varduras(ベルドゥーラス)

  • ensalada(エンサラーダ:サラダ)
  • alcachofa(アルカチョーファ:アーティチョーク
  • brócoli(ブロコリ:ブロッコリー
  • tomate(トマーテ:トマト)
  • aguacate(アグアカテ:アボカド)
  • aceite(アセイーテ:オリーブ)
  • patata(パタータ:じゃがいも)
  • cebolla(セボージャ:たまねぎ)
  • calabaza(カラバサ:かぼちゃ)
  • calabacín(カラバシン:ズッキーニ)
  • berenjena(ベレンヘナ:なす)
  • ensaladilla rusa(エンサラディージャ・ルーサ:ポテトサラダ)
  • perejil(ペレヒル:パセリ)
  • rúcula(ルクラ:ルッコラ

主食系

  • arroz(アロス:お米)
  • pan(パン)
  • hojaldre(オハルドゥレ:パイ、パイ生地)
  • macarrones(マカローネス:マカロニ)

スープ

卵料理

  • huevo revuelto(ウエボ・レヴエルト:スクランブルエッグ)
  • huevo duro(ウエボ・ドゥーロ:ゆで卵)
  • huevo frito(ウエボ・フリート:目玉焼き)
  • tortilla española(トルティージャエスパニョーラ:スペイン風オムレツ)
  • tortilla francesa(トルティージャ・フランセサ:フランス風オムレツ → いわゆる日本で食べるオムレツ)

調理法や調味料など

  • frito/frita(フリート/フリータ:揚げ)
  • parrilla(パリージャ:グリル)
  • a la plancha(ア・ラ・プランチャ鉄板焼き)
  • guiso/guisado/guisada(ギソ/ギサード/ギサーダ:シチュー)
  • asado(アサード:焼き、炒め)
  • croqueta(クロケッタ:コロッケ)
  • salsa(サルサ:ソース)
  • crujiente(クルヒエンテ:さくさく、カリカリ)
  • cremoso(クレモソ:クリーミー
  • picante(ピカンテ:辛い、ピリ辛の)
  • miel(ミエル:はちみつ)
  • mostaza(モスタサ:マスタード
  • aliño(アリーニョ:ドレッシング、つけダレ)

今後も、だんだんと書き加えていくつもりです。

アンダルシアの冷たいスープ、サルモレホ

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【スペイン旅行のしおり】スペインの時間感覚

このカテゴリでは、旅行、生活、留学などでスペインに初めて行く人を対象に、まず知っておいた方がいい話を書いていきます。

そして今回のサブタイトルですが…

~あれ、時計おかしくなったかな?~

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中央ヨーロッパ時間帯

まずそもそもですが、世界中の国々はイギリスの世界標準時からどのぐらい時間がずれているかを表す「タイムゾーン」のいずれかに属しています。たとえば日本の場合は世界標準時から+9時間のタイムゾーン。つまり、ロンドンが午前0時のときに東京は9時間進んだ午前9時なわけです。

では、スペインのタイムゾーンはどうなっているかというと、中央ヨーロッパ時間帯(Central European Time - CET)といって、これは世界標準時から+1時間。そして、このタイムゾーンなんですが、とにかく横に長い。これは言葉で説明するよりも地図を見てもらうのが早いんですが、以下のようにエンジ色の部分、つまり東はポーランドハンガリーあたりから、ドイツ、イタリア、フランスまでも含みつつ、その一番西の端にスペインがあるんです。

中央ヨーロッパ時間帯(出典:ウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons))

しかも、「世界標準時から+1時間」でしたよね?地図をもう一度見てみると、その世界標準時のイギリスよりもスペインの方が西にあり…つまり、逆転現象が起きてしまっているんです。

さて、では次に「太陽の位置」について考えてみます。ロンドンのお昼の12時、太陽はどこにいるでしょうか?むかし理科の授業で習ったかと思いますが、ロンドンの真上です。問題なのは、そのときのスペインの時刻。このときすでにスペインの首都マドリードは13時。

ではマドリードの上空に太陽がくる、いわゆる「南中」の時間はというと日によって誤差はあるものの、だいたい13時00分~13時30分ぐらい。これが、サマータイムに切り替わる3月の最終日曜から10月の最終日曜まではさらに1時間ズレて、最大で14時30分ぐらいになるわけです。

南中時刻がズレるということは日の出・日の入りもズレるわけで、たとえば1年のうちで「一番日の出が遅い1月上旬」と「一番日の入りが遅い7月上旬の日の入り」を比較してみると以下の通りです。

  • 1月上旬の日の出
    • 日本:7 時 7 分
    • スペイン:8 時 38 分
  • 7月上旬の日の入り

※日本は神戸、スペインはマドリードの時間

日の出もそうですが、日の入りの方が驚きですよね。夏は、21時過ぎまで陽が落ちないという…。

本の時間感覚とのズレ

ここまでの話で、スペインの南中時刻が14時頃になるというのはお分りいただけたかともいます。ただ、これだけだと「へぇ~」で終わってしまうのですが、太陽が日本のそれ(日本の場合は12時前後が南中時刻)と2時間ズレているということで、お昼ご飯の時間も2時間ズレることになります。つまり、14時過ぎ。夕飯も、日本の家庭だと19時~20時が一般的ですが、スペインは21時~22時。

つまり、すべてが2時間ズレになっていくので、スペインで過ごす場合は常に2時間プラスで考えて行動すると日本と同じ感覚になるのです。たとえば日本から観光で行って「今日の午後は長距離バスで次の目的地に移動するから、ちょっと早いけど11時頃にお昼ご飯食べちゃおう」など考えたとしましょう。すると、それはすなわち日本で午前9時にランチやっているお店を探すのに等しい行為なので、当然どのレストランもまだランチどころか営業すら開始していないということになるのです。もちろん、カフェやファストフード店など朝から開いている店もあるので、どこかしら見つかりはしますが、レストランはまず開いていません。

となると、昼食・夕食と同様に朝食も遅いのかという疑問が出てきます。それに関しては、このあとお話していきます。

朝の通勤も2時間遅いの?

スペインの生活時間が日本の感覚よりも2時間遅い、ということで朝の出勤も2時間遅い11時なの?というと、必ずしもそうではありません。職種や季節、勤務シフトなどによっても変わりますが、だいたい以下の2つのパターンが多いようです。

※時間はイメージしやすいようにあくまで一例として挙げています

  • パターンA:Jornada Continua(ホルナーダ・コンティヌア)
    • 出社:8時
    • 休憩:11時~11時30分
    • 退社:15時30分
  • パターンB:Jornada Partida(ホルナーダ・パルティーダ
    • 出社:9時
    • 休憩:14時~17時
    • 退社:20時

つまり、日本とたいして変わらないか、場合によっては8時出社など少し早め。では、先ほどひとつの前のトピックで疑問として湧いてきた朝食のタイミングはどうなのでしょうか?

食事のタイミングは?

結論からすると、スペインは日本の「1日3食」ではなく言ってみれば「1日5食」になります。これも、地域や家庭によってその食事の呼び方や時間にバラつきはあるものの、一例として挙げるとこんな感じです。

  • 7時[desayuno(デサジューノ)]
    • 朝起きてcafé(カフェ)とmagdalena(マグダレーナ:マドレーヌのようなスポンジケーキ)を食べる。
  • 11時[almuerzo(アルムエルソ)]
    • 勤務先の近所のカフェでbocadillo(ボカディージョ:スペイン風のサンドイッチ)を食べる。
  • 15時[comida(コミーダ)]
    • 退勤して帰る途中、小さなレストランなどでmenú del día(メヌー・デル・ディーア:定食のようなランチセット)を食べる。
  • 18時[merienda(メリエンダ)]
    • 帰宅して軽くお昼寝したあと起きて、churros(チュロス:日本でも最近おなじみの揚げ菓子)をchocolate(チョコラーテ:チョコレートドリンク)に浸して食べる。
  • 21時[cena(セナ)]
    • 友人や家族たちと近所のバルでTapas(タパス)をつまみながら、軽く1杯。

だいたいこんな感じで、あとは地域によって食べるものに特色があったりします。

たとえば、中部のExtremadura(エストゥレマドゥーラ)州なら、almuerzoにmigas(ミガス:パンの耳で作ったガーリック・チャーハン的なもの)だったり、東部のValencia(バレンシア)州ならmeriendaにFalton(ファルトン:柔らかめのパン)をHorchata(オルチャータ:アーモンドミルク的な飲み物)に浸して食べたり。Vasco(バスコ:正確にはPaís Vasco)州など北部に行くと、cenaではPintxos(ピンチョス)をつまんだり。

さて、そうなると「こんなに食べていて太ったりしないの?」という疑問も出てきます。もちろん、日本に比べるとスペインの方が肥満率は高いのですが、食べる量とタイミングの関係で、それが若干緩和されているように思います。

日本だと割りと夜にたくさん食べるイメージですが、スペインではお昼のcomidaが一番食べる食事です。土日祝日などは、家族でちょっと郊外の美味しいレストランに行ってcomidaをめちゃくちゃたくさん食べ、夜は簡単なサラダぐらいで済ませたりすることもあります(というか、実際に経験すると分かりますが、夕方以降、何も口にしたくないぐらいcomidaでたくさん食べたりすることもあります)。

バレンシアで食べたメロッソ(パエージャよりも水分の多い「おじや」的な米料理)(2024年)

最後に

最後にサブタイトルの伏線回収ですが、ここまで見てきたようにとにかく日本と同じ時間感覚で行動していると、時計が狂っているのか、自分がおかしくなったのか、はたまた時差ボケにやられているのか…何が正解だか分からなくなります。まずは、1日5食の食事に慣れてみるといいかもしれません。旅行であれば…

  • 8時にホテルの朝食
  • 11時にお散歩途中の休憩でチュロスなどつまむ
  • 14時にレストランでガッツリ目の昼食
  • 18時にお散歩途中のカフェでケーキ
  • 21時にバルでタパスやピンチョスをつまみながら軽く一杯

など、あくまで一例ですが、そんな感じで食事から生活リズムをスペインシフトしていってみるのもいいかもしれません。

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