このカテゴリでは、旅行、生活、留学などでスペインに初めて行く人を対象に、まず知っておいた方がいい話を書いていきます。
そして今回のサブタイトルですが…
〜メニューは見るものじゃなくて食べるものです〜
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スペインのランチ定食
前の記事で、スペイン旅行中のお昼ご飯について書きました。
その中でも少しお話したのですが、お昼の定食としてMenú del día(メヌー・デル・ディーア)というものがあります。バルなどでお昼ご飯を食べる際は、Carta(カルタ:メニューのこと)から一品ずつ選ぶ方式もいいのですが、このランチ定食にあたるMenú del díaもおススメです。
それぞれのMenú del díaは、ひとり前の料理と飲み物、さらにパンとcafé(カフェ:コーヒー)またはpostre(ポストゥレ:デザート)がついてだいたい15€から20€です。ちなみに、昔は10~14€のものもあったのですが、最近は物価の高騰で15€前後が当たり前になっています
このMenú del díaはそれぞれのお店ごとに特色があって、地元の名物料理なども味わうことができるので、手軽かつお得にお昼ご飯を楽しめます。
Menú del díaを提供しているお店は、写真のようにPrimeros(プリメーロス、1ro.または1er.とも書く)とSegundos(セグンドス、2do.とも書く)と書いてある看板を出していますので、これを探すのがいいでしょう。看板がなくても、Menú del díaを提供しているお店はありますので、テラス席あたりに店員がいれば聞いてみてもいいかもしれません。
まずは飲み物から
お店に入ったら早速このMenú del díaを注文していくわけですが、スペインでは、どこの飲食店でもたいていはじめに飲み物を聞いてきます。しかも、そのときにメニューなどなく、いきなり "De beber?(デ・ベベール?:飲み物は?)" と聞いてくることがほとんど(もちろん、ある程度高級なレストランなどであれば、最初に飲み物メニューとワインリストを持ってきてくれますが)。
アルコール類としては、ビールならcerveza(セルベッサ)、ワインならvino(ビノ)でだいたいこと足りるかと思いますが、もちろん他にもいろいろあります。cocteles(コクテレス:カクテル)など、甘いお酒はスペインでは食事中にはあまり飲まないので、ダメとは言いませんが注文しようとすると、皆に「えっ、甘いけどいいの?」と突っ込まれるかもしれません。
アルコール類
- cerveza(セルベッサ:ビール)
- vino(ビノ:ワイン)
- vino tinto(ビノ・ティント:赤ワイン)
- vino blanco(ビノ・ブランコ:白ワイン)
- vino rosado(ビノ・ロサード:ロゼワイン)
- cava(カバ:発泡ワイン)
- vino de jerez(ビノ・デ・ヘレス:シェリー酒)
- fino(フィノ:すっきり系で1杯目に最適)
- manzanilla(マンサニージャ:すっきり系で1杯目に最適)
- amontillado(アモンティジャード:少ししっかり目)
- oloroso(オロロソ:しっかり目)
- 他にもいろいろありますが、食事中に飲むとしたら上記のあたり
- cidra(シードラ:リンゴのお酒、シードル)
ノンアルコール
清涼飲料水のことは、refresco(レフレスコ)と言いますので、アルコールが苦手な方は以下のあたりから選びましょう。
- coca-cola(コカ・コーラ)
- fanta(ファンタ)
- fanta naranja(ファンタ・ナランハ:オレンジ味のファンタ)
- fanta limón(ファンタ・リモン:レモン味のファンタ)
- zumo(スーモ:果物ジュース)
- naranja(ナランハ:オレンジ)
- piña(ピーニャ:パイナップル)
- melocotón(メロコトン:桃)
- mosto(モスト:ぶどうジュース)
もちろん、agua(アグア:水)もひとつの選択肢です。日本ではレストランや居酒屋でお水をわざわざ注文することは、まずないと思いますが(注文というよりタダなので)、スペインでは上記のジュースなどと同様に注文することができ、ちゃんとボトルで出てきます。
また、コーヒーも基本的には食事の前や食事中ではなく、最後に飲むものなので、上記のリストには入れていません。日本ではよく、ファミレスなどで食事とともにコーヒーを注文することができて「コーヒーは先にお持ちしますか?あとにしますか?」と店員が聞いてきたりしますが、スペインではそういった場面は見たことがありません。やったことはありませんが、食事と一緒にコーヒーを注文すると「ん?カフェなら食後に付いてるよ」と言われる気がします(もちろん、ダメということはないのですが、あまり一般的ではないというだけです)。
次に料理
次はPrimerosとSegundosそれぞれの料理を選んでいきます。料理については、かなり多岐にわたるのでひとつひとつはこの記事では説明できませんので、別記事としてまとめます。
Primerosは、スープ、サラダなどの軽めのものが中心です。アンダルシアの夏の暑い時期などは、私はsalmorejo(サルモレホ:トマトのきいたガスパチョ的なスープ)が好きで、出てくるとすぐにペロッと飲み干してしまいます。
Segundosはお肉や魚などのメイン料理、もしくはpaella(パエージャ)パスタなどの主食系料理が中心です。私はワインが好きなので、まずこのSegundosで何を食べるのかをなんとなく考えてワインの赤白を選んだりします。前に書いたように最初に飲み物を聞かれてしまうので、肉・魚どちらか決められていない場合はビールにしたり。
ちなみに、Menú del díaはパンも無料で付いてくることが多いので、このSegundosのお皿のソースに付けて食べたりすることもできます。この「お皿に残ったソースにパンを浮かべて浸す」という行為には名前がついていて、barquitos(バルキートス:小舟)と言うそうです。もしもまだソースが残っていてパンで食べたいのに店員がそれを下げようとした場合は、身振りも交えつつ "barquitos!" と言うか、ある程度スペイン語が分かる方は "Déjalo para hacer (またはechar) barquitos!" のように伝えて残しておいてもらいましょう。
締めはコーヒーかデザート
すべて食べ終わったころに、今度は店員が "café o postre?" と聞いてきます。スペインでのコーヒーについても日本のそれといろいろ違うので、そのあたりはまた別の記事でまとめたいと思います。もちろん、コーヒーであるcafé以外にも、té(テ:お茶)やinfusión(インフシオン:ハーブティー)などを頼むこともできます。
デザート
スペイン人は甘いものが大好きなので、デザートであるpostreを頼む人も多いです。よくあるものとしては…
- flan(フラン:プリン)
- helado(エラード:アイス)
- sorbete(ソルベーテ:シャーベット)
- tarta(タルタ:ケーキ)
- tocino de cielo(トシーノ・デ・シエロ:卵黄で作った濃厚プリン)
- crema catalana(クレマ・カタラーナ:カタルーニャ風クリームプリン)
- tiramisú(ティラミス)
- natilla(ナティージャ:プリンをクリームにしたようなデザート)
- bizcocho(ビスコッチョ:カステラのようなスポンジケーキ)
- arroz con leche(アロス・コン・レーチェ:ライス・プリン的なお米のデザート)
- torrijas(トリハス:揚げフレンチトーストといった感じのもの)
- cuajada(クアハーダ:甘くない牛乳プリン)
- batido(バティード:ミルクセーキのようなもの)
これだけ挙げれば、どれかはお店にあると思います。あとは、それぞれの地方の名物デザートもあったりするので、それが良ければ "postre típico(ポストゥレ・ティピコ)?" や "Hay algún postre típico de aquí?" のように伝えて教えてもらいましょう。
バリエーション
そもそもこのmenú(メヌー)というのは、定食のようなセットのことを指します。なので、他にもMenú de la casa(メヌー・デ・ラ・カーサ:当店のおすすめ定食)やMenú de Feria(メヌー・デ・フェリア:お祭り期間の限定セット)といったものもあります。
また、PrimerosとSegundosではなく、Entrantes(エントランテス:前菜)とPrincipales(プリンシパレス:メイン料理)となっている場合もあります。この場合、Entrantesは選ぶのではなく書いている3品程度がすべて出てきて、Principalesの方を選ぶ形式が多いようです。選ぶものには、おそらくa elegir(ア・エレヒール)と書いてあります。
最後に
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