スペインめもら

スペインを旅したいすべての人に

【書籍紹介】『オラ!スペイン旅ごはん』

(この記事は、アフィリエイトリンクを含みます)

いつものまえがき

先に結論から申し上げますと、このカテゴリの記事はアフィリエイト目的の書籍紹介です。このブログを始めた理由は、「こんなに素晴らしいスペインという国を、もっとたくさんの人におすそ分けしたい!」だったわけで、それは今も変わりません。
ただ、やはり長く続けるためにも、定期的に更新をしてたくさんの人に読んでもらうモチベーションは必要でして、それがゆえにこうしたアフィリエイトにも挑戦してみることにしました。
それならそれで、私自身が「この本はおもしろい!」「ぜひ、たくさんの人に読んでもらいたい」と本当に思えるものに絞って紹介していきたいと思っています。そして、ただペペッと本のリンクを貼って「買って~」というのではなく、ちゃんとその本のどこがどう良いのかもお伝えしていきたいと思っています。
というわけで、前置きが長くなりましたが、今回ご紹介するのはこの本…

どんな本!?

バルセロナ在住経験のあるイラストレーター、コミック・エッセイストのハラユキさんが、スペインのいろいろな都市を周って、それらの都市のレストランやバルで食べた料理についてマンガで紹介している本です。

都市としては、筆者であるハラユキさんの住んでいたバルセロナからはじまり、ガリシア州サンティアゴ・デ・コンポステーラ、オウレンセ、オ・カバジーニョ)、バスク州サン・セバスチャンビルバオ、オンダリビア)、バレンシアアンダルシア州(セビージャ、ヘレス)、そして首都のマドリーが取り上げられています。

全編マンガなのでサラッと読めるのですが、中身は結構本格的で、各地域の食文化や言葉、有名観光地などについても紹介してくれています。たとえば食文化でいえば、バスクではしご酒のことを「チキテオ」というのですが、効率的にチキテオするための準備の仕方や、お店での注文のコツなど、楽しく解説してくれています。

スペインのバルは、日本のように店員が親切にお客さんの様子を見て、向こうから注文を取りに来てくれるという方式ではないため、うかうかしていると、いつまでたっても注文すらできません。そこで、この本にあるような注文のコツを知っていれば、戸惑いながらもなんとか注文することができて、おなかが空きすぎる前に無事に食べ物飲み物にありつけると思います。

注文やお会計のときに使う言葉も、とてもポイントを付いて紹介してくれているので、スペイン語が話せないという人にもすごく役立ちます。スペインの観光地では英語も通じなくはないですが、せっかく現地の雰囲気にまみれたバルなどに行くのであれば、「ビール」や「チェック、プリーズ」ではなく、「セルベッサ」、「ラ・クエンタ!ポル・ファボール」で行きたいですよね。

ピンチョスが並んだバスクのバルカウンター(ビルバオ:2019年)

こんな人におススメ

一番おススメするのは、やはりこれからスペインに旅行しようという人。旅行で食事って大事ですよね。旅行でスペインに滞在する場合、一日3食(おやつなども含めてスペイン人は一日5食ですが)の食事のうち、ホテルの朝食や行き帰りの空港などを抜かすと、意外と自由にお店を探して食べられる食事は多くないもの。貴重な現地メシの機会を1食たりともハズしたくない。そんな人は、この本であらかじめ「その地域の名物料理は何なのか」「スペインといえばバルだと聞いているけど、実際どうやって注文すればいいのか」といったことを予習しておくと、無駄なくスムーズに現地メシを楽しむことができるかと思います。マンガなのでスラスラと読み進められますから、極端な話、訪れる予定の都市だけでも出発前日にサッと読んで、現地に着いたときのイメージを膨らませておく、そんな使い方もできるかと思います。

あとは、スペインに行くかどうかにかかわらず、日本にいながらスペイン料理のお店に興味を持っている人も、読んでみることをおススメします。スペイン料理というと、ほとんどの方がまず「パエージャ(パエリア)」や「トルティージャ(スペイン風オムレツ)」を思い浮かべるかと思いますが、それ以外にもスペイン全土で見られる定番料理はいくつもあって、それらを知っているだけでも日本のスペイン料理店に行く楽しみが増えます。

しかも、最近ではスペイン全土で見られる一般的なスペイン料理ではなく、「バスク料理専門店」や「シェリー酒専門店」といったかたちで、スペインの特定地域に特化した料理やお酒を提供するお店も増えています。この本ではそういったスペインの特定地域の料理についても書いてありますので、この本を読んでそれらのスペイン地方料理のレストランを探してみるのもおもしろいと思います。

ここが気に入ってます

一番はやはり、各地のお酒についての話が詳しく載っていること。スペインでは、もちろんセルベッサ(ビール)とビノ(ワイン)がもっともよく飲まれているお酒ではあるのですが、それ以外にも各地方に特有のお酒があります。ガリシア蒸留酒オルッホ、バスクの微発泡酒チャコリや、日本でも有名なリンゴのお酒シードラ(日本だとシードルと呼ばれていますが)など、スペインならではのお酒がちゃんとピックアップされています。地方の料理はやはりその地方特産のお酒が一番合いますし、書いていてもうすでに飲みたくなってしまっている私のような人には、非常に重要な情報だと思います。

特に、私の一番好きなお酒でもあるビノ・デ・ヘレス(シェリー酒)については、本の中でその産地ヘレス・デ・ラ・フロンテーラという街を取り上げてくれていることもあり、そのタイプの違いについても簡単にではありますが、ちゃんと解説してくれています。これをきっかけにシェリー酒に興味を持つ人が増えてくれたら、それはそれで私としては嬉しいです。

それから、それぞれの地方の最後のページには、おススメのお土産なども載っていて、旅行で行くときには重宝しそうです。お土産というと、つい観光地の真ん中にある、いかにもな「お土産ショップ」で探しがちなんですが、マグネットとか謎の置物とか、世界中どこにいっても代わり映えしないようなものに手を出しがちなんですよね…。その点、この本に載っているような瓶詰の食材やお菓子であれば、スーパーや市場、デパートなどで探すこともできます。定番の観光地ももちろん行くべきですが、せっかくのスペイン、現地の生活が垣間見られるスーパーなどでお土産を探してみるのも楽しいですよ(ちなみに、私もスペインに行った際の家族や知人へのお土産は、いつもスーパーやデパートで揃えています)。

お土産を買うために寄ったデパートのワインコーナー(バレンシア:2017年)

まとめ

この記事では、スペイン各地の食べ物を通じて、文化や面白い習慣を紹介している本『オラ!スペイン旅ごはん』を紹介してきました。本の中で紹介されているすべての地方に行ったことがある私でしたが、意外と知らない文化やお店も多くて、すごく参考になりましたし、また次回行くときの楽しみが増えました。

マンガ自体も面白くて、ときどき声を出して笑ってしまうような絵やらお話もちょこちょこ詰まっています。さらに出てくるイラストも、細部までこだわっているなぁというものが多く、「あー、こんな感じのお皿見たことある」とか「この包み紙、懐かしい~」というものもあって、またすぐにでもスペインに行きたい気持ちを掻き立ててくれます。

スペイン初めての方にも、何度か行って懐かしく読みたい方にも、おススメの本です。

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